OpenCVのテンプレートマッチングを使って物体検出する
OpenCVのテンプレートマッチング関数を用いて物体を検出します。
OpenCVが提供する物体検出の種類
OpenCVは6種類のテンプレートマッチング手法を提供します。
大きくは3種類で、それぞれに正規化の有無があり、計6種類となっています。
・二乗差分法 cv::TM_SQDIFF
テンプレート画像と入力画像の画素の差分を二乗したものの総和
(値が0に近いほど似ていると判断できる)
SSD(Sum of Squared Difference)とも呼ばれる
・正規化二乗差分法 cv::TM_SQDIFF_NORMED
二乗差分法を正規化したもの
・相互相関法 cv::TM_CCORR
テンプレート画像と入力画像の画素同士の内積の総和
(値が1に近いほど似ていると判断できる)
・正規化相互相関法 cv::TM_CCORR_NORMED
相互相関法を正規化したもの
NCC(Normalized Cross-Correlation)とも呼ばれる
・相関係数法 cv::TM_CCOEFF
テンプレート画像の平均値と入力画像の平均値画素同士の内積の総和
(値が1に近いほど似ていて、-1に近いほど不一致と判断できる。なお、値が0に近いものは無相関である)
・正規化相関係数法 cv::TM_CCOEFF_NORMED
相関係数法を正規化したもの (ZNCC(Zero-means Normalized Cross-Correlation)とも呼ばれる)
大まかには、
計算量(処理時間)
(正規化)相関係数法 > (正規化)相互相関法 > (正規化)二乗差分法
精密さ
(正規化)相関係数法 > (正規化)相互相関法 > (正規化)二乗差分法
という感じ。
処理速度お求めるなら二乗差分法。精密さを求めるなら正規化相関係数法を選択します。
注意が必要なのは、(正規化)二乗差分法では0に近いほどマッチング率が高く、そのほかの手法は1に近いほどマッチング率が高くなります。
テンプレートマッチングサンプルプログラム(VC++)
すでに、VC++でOpenCVを実行するための準備は済んでいるものとします。
できていない場合は、https://jitaku.work/opencv/vc/opencv/を参照して準備をしてください。
テンプレート画像 | ![]() |
入力画像 | ![]() |
ソースコード
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実行結果
物体検出手法 | 結果画像 | 類似度MAP |
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二乗差分法 TM_SQDIFF | ![]() |
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正規化二乗差分法 TM_SQDIFF_NORMED | ![]() |
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相互相関法 TM_CCORR | ![]() |
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正規化相互相関法 TM_CCORR_NORMED | ![]() |
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相関係数法 TM_CCOEFF | ![]() |
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正規化相関係数法 TM_CCOEFF_NORMED | ![]() |
![]() |
相互相関法(cv::TM_CCORR)のみ外れていますね。
MAPを見ると確かに右下が白いです。
なんでかは知らん。
以上。