フリーランス システムエンジニアの年収公開(所得税も!)
15年以上フリーランスのシステムエンジニアをやっています。
いやらしいもので他人の懐具合は気になるもの。
アクセス率アップのために、自身の昨年(2019年)の年収や経費の割合などをざっくりと記してみます。
項目 | 金額 |
---|---|
収入金額 | 840万(70万 * 12ヵ月) |
経費等 | 255万(経費) + 65万(青色申告控除) |
所得金額 (収入-経費等) |
520万 |
所得から差し引かれる金額 | 280万 内訳:国民年金(20万)、国民健康保険(58万)、小規模企業共済(84万)、確定拠出年金(80万)、基礎控除(38万) |
課税所得 | 240万 |
課税所得に対する税額 | 約12万 |
所得税額 | 0円 内訳:約12万 - 住宅ローン減税(10万) - 寄付金控除(2万) |
なんと、840万の収入に対し
所得税0円
です!
別に違法なことは何一つしていません。
きちんと節税したら所得税が0円になったのです!
どんな節税をしたのかを以下に述べていきます。
・・・まぁダメ押しの住宅ローン減税はもうすぐ終わりですが。
そのうえ、インボイス制度がもうすぐ始まります・・・。
そうなってくると結果的に消費税を払う必要が出てきます。
お先真っ暗ですな・・・。
システムエンジニアやプログラマーの業種って何?
初めて確定申告をされる、昨年個人事業主になったばかりのシステムエンジニアやプログラマーの方、「業種」って何書けばいいの?と思われるかもしれません。
なぜなら71の法定業種の中にそれっぽいのがないからです。
私は10数年以上前から「ソフトウェア業」としています(税理士からそう書くよう言われています)
問題になるのは例えばですがコンサルタント業とかにしてしまうことです。
コンサルタント業は「個人事業税」を払わなければならない業種です。要は多く税金を払うことになるのです。
いわゆる、システムエンジニアやプログラマーの方は
ソフトウェア業
が正しいです。
※注意:ソフトウェア業であっても実際の仕事内容によって法定業種に該当して個人事業税が必要になるケースもあるみたいです。まぁいわゆるSEやPGをしている限りは問題ないと思いますが
請負業は個人事業税を払わないといけないのでは?
はい、請負業であれば個人事業税を払わないといけません
所得から290万を引いた額の5%なので結構な金額になります。
では私が払っているかというと払ってないです。
もちろん、脱税ではないです。
なぜなら契約書で準委任契約にしているからです。
というか、フリーランスのエンジニアの多くは準委任契約だと思います。
SES(System Engineering Service)という言葉があるぐらいですからね。
請負と準委任の違いは簡単に言えば成果物への違いです。
請負は成果物をださないといけないし、瑕疵があれば担保しないといけません。(契約によりますが)。
準委任は成果物は必ずしも必要でないし、業務を正しく遂行さえすれば良いのです。
これを読んで請負だと思いこんでいた人も、自分は準委任だなぁ、と思ったはずです。
だって一人で請け負って成果物を作って納品するなんてほぼないですよ。
どんなプロジェクトでもそれなりの人数でやるわけですから。
(スーパーマン的に一人で全部できる人もいるかもしれないですが)
税務調査は必ず来る!
タイトル詐欺ですがシステムエンジニアでかつ年収900万以下ならかなりの確率で来ないでしょう。
私も17年この商売やってますが一度も来ていませんし、周りでも来ている人を見たことないです。
恐らく水商売とか飲食店のほうがごまかしてる人多いですからそっちのほうに行くんでしょう。
もしくは1000万以上稼いでる人のところとか。
でも、必ず来る!と思ってちゃんと納税して書類も準備しておいたほうが良いです。
当たり前ですが、脱税、犯罪ですよ。
前科者になってまで数万円ケチりますか?
場合によっては取引先に迷惑がかかることすらあるんですよ?
ちゃんと払いましょう。
経費率について
基本的にはシステムエンジニアって経費ないです。
交通費と書籍やソフトウェア代ぐらい。
あとは家賃や水道光熱費や通信費を按分したところで、頑張っても25%ぐらいでしょうか。
新しいPCや周辺機器を購入したり、車の減価償却とかそういうのでやっと30%といったところです。
が、まぁ、実際、経費使わない職業なので当然ですね。
おそらくですが50%以上の経費を計上する馬鹿がいたら即座に税務調査されるでしょう。
多い年でも30%。これが上限だと思います。
フリーランス(個人事業主) システムエンジニアの正しい節税
確定申告で正しく節税すると所得税が減るだけでなく、所得税から算出される住民税も安くなります。
絶対に違法ではない
正しい節税方法をいくつか紹介します。
なお、住宅ローン控除については述べませんが、実は一番破壊力があり、これのおかげでこの10年所得税は払わなくて済んでいます。
青色申告(65万控除)する
お得度:★★★★★
最初の節税方法は青色申告(65万円控除)をする、です。
収入しだいですが、例えば収入が850万ぐらいある事業主であれば
10万円以上
得をします。
所得税、住民税がそれぞれ3~4万、国民健康保険税が5~6万は安くなるからです。
確定申告の申告方法は3種類あり、白色申告、青色申告(10万円控除)、青色申告(65万円控除)があります。
青色申告(65万円控除)は複式簿記をしないといけないので大変ですが、65万円の控除はかなり大きいです。
青色申告(65万円控除)の控除とは、簡単に言うと、頑張って国のために青色申告してくれたからその分を65万円分の経費として計上していいよ!と、国が言ってくれているという感じです。
その分、所得金額が減るわけですから、当然所得税が減ります。
所得税をもとに計算される住民税も減ります。
さらには所得金額から計算される国民健康保険税も減ります。
幸せしかないのです。
なので、とにかく、青色申告(65万円控除)は絶対におこないましょう。
収入金額と所得金額と所得から差し引かれる金額と課税所得と
用語を理解しましょう。
用語 | 意味 |
---|---|
収入金額 | 収入ですね。シンプルです。取引先から振り込まれたお金などです |
所得金額 | 収入金額から経費等を引いた金額です。経費は仕事で使うパソコン、書籍、ソフトウェア、交通費などですね 更に青色申告控除をしているとその分差し引けます |
所得から差し引かれる金額 | 国民年金や国民健康保険で支払った金額を差し引くことができます あと、基礎控除というのがあり、38万円引くことができます。(なんと来年からは48万!) |
課税所得 | 所得金額から所得から差し引かれる金額を引いた金額ですね。この金額を元に(住宅ローン減税や寄付金控除などを除き)所得税が計算されます |
「所得金額」から「所得から差し引かれる金額」を引いたものが「課税所得」です。
先ほども述べましたが住民税は所得税から計算されます。
なので、課税所得を減らせば、所得税と住民税が減るのです。
国民健康保険税も?と思いましたか?間違いです。
国保は所得金額から算出
されます。
糞です。
国保も課税所得から算出されるべきだと思います。
これらを踏まえて、「所得から差し引かれる金額」を増やして正しく節税する方法を述べます。
小規模企業共済をする
お得度:★★★★
月額7万、年84万円、共済金として預けることができます。
そしてその全額が控除できるんですね!
所得税、住民税を考えると
15万近く
お得になります!!
この共済のいいところは、いざというときは利息を取られますけど貸し付けをしてくれる点です。
自分が預けている金額が担保になり結構な金額を低金利で貸してくれます。
私は既に1000万以上共済金を積み立てていますので、おそらくお金貸して!って言ったらほぼ無審査で800万ぐらいまでは貸してくれます。
(そりゃぁそうです。どうあがいたって貸し倒れしないんだから)
ので、いざというときにお金なくて困る!ということもないし、毎年15万近く得するし、余裕があるのならしないほうがバカです。
経営セーフティ共済をする
お得度:★★★★
こちらも小規模企業共済と近い感じですね。
最大で800万円までしか積み立てできませんが、なんと、最大で月20万も積み立てれるそうです。
今年はもうかりすぎた!というときなんかすごくいいですね。
実は私、これははやってないんです。
現在は住宅ローン減税のおかげで、経営セーフティ共済をしなくても所得税が0円なので、これ以上の節税は「今は」もったいない、といったところです。
もうじき、住宅ローン減税が終わるので、そのあとはこれを使おうと思っています。
確定拠出年金(iDeCo)をする
お得度:★★★
確定拠出年金ですね。最近ではiDeCoとかいうそうです。
月に満額68000円まで掛け金を書けることができ、年間で80万近い控除が見込まれます。
所得税、住民税を考えると
15万近く
お得ですね!
そのわりにお得度がやや低めなのは、
小規模企業共済や経営セーフティ共済と違い、死んだが100%がパーになる点ですね。
↑すみません、遺族に死亡一時金として渡されるのでパーになりません。パーは私でした。(2020/06/11追記)
解約も基本できませんし。
急にお金が必要になる場合もありますのでちょっと困りますね。
医療費控除する
お得度:★★★★★
病気にならないと、というわけでもありません。
例えばレーシックやインプラントをした場合も医療費控除が可能です。
インプラントで50万円かかった場合、所得税はおおよそ5万近く、合わせて住民税も5万近く、計10万は安くなるわけですから、ぜったいに医療費控除をしましょう。
気を付けないといけない点は、どの医療機関でも領収書は絶対に再発行してくれません! 必ず保管しておきましょう。
確定申告する際に、領収書を添付する必要があるからです。
↑すみません、平成29年度の確定申告から領収書の添付は不要とのことです。(2020/2/10追記)
ふるさと納税
お得度:???
すみません、したことないです。
もうできないですが、例えば過去にやっていた泉佐野市とかでamazonギフト券に変えて、ヤフオクで転売とかしたら随分得だとは思いましたが。
以上、正しい節税手段でした!